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188素子AOとIRCSを用いた共生星の近赤外2次元(偏光)分光観測

池田 優二 (フォトコーディング)、小林 尚人 (東京大学)
2006年9月19日 日本天文学会2006年秋季年会 @福岡県北九州市
■ アブストラクト
共生星(symbiotic star)とは、活発な質量放出を行う低温度星(T_eff 〜3,000 K)と 白色矮星に代表される高温度コンパクト星(T_eff 〜 20,000 K)からなる連星系である。 過去の共生星の紫外〜可視の分光観測の結果からは、 非常に強い電離輝線群がそのスペクトル中に存在することが知られているが、それらは、 低温度星から放出され、系全体を取り巻くガスの一部が高温度星によって光電離された結果であると考えられている。
地上の可視高分散分光やIUE衛星によって、その輝線の多くが広い輝線幅(>500 km/s)と 複雑な輝線輪郭を示すことが知られている。それらは、恒星風や恒星風同士の相互作用(Wind collision)、 時には双極ジェット等の存在を反映していると信じられている。 こうした激しい活動性を示す星周ガスの空間分布と速度場の情報は、連星系からの質量放出機構、 さらには共生星の進化モデルを構築する上で非常に重要である。 しかしながら、星周ガスの広がりは数百mas程度(@D=1kpc)に限られるため、 HST/FOCによる希少な画像と、可視域高分散分光観測による空間的に縮退した 視線方向速度場情報のみに頼らざるを得ず、詳細は未だ明らかになっていない。
そこで我々は、すばる188素子AOと赤外分光撮像装置IRCSを用いた共生星のJ/Hバンドの 2次元近赤外高分散分光観測を提案する。 188素子AOで得られるJ/Hバンドでの回折限界分解能(< 40 mas)は、 これまで地上からは分解不可能であった共生星の星周電離ガスの構造を分解可能にする。 したがって、R 〜 20,000のロングスリット分光を行うことにより、 空間密度分布の縮退を解いた星周ガスの速度場情報を初めて直接的に得ることができる。 本公演では、観測計画の詳細について述べる。 また、将来的には、偏光観測と併用することによって可能性が広がるラマン散乱輝線を用いた HIガスマッピングの可能性についても言及する。